始める前に、小説の基本をドン無視で書きますよ。
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 カナメは同じクラスのマノと一緒に帰るのが習慣になっている。中学から同じクラスで、彼女とは親友の間柄だ。
 いつもと変わらない、学校のことや流行の音楽の話題で盛り上がりながら、二人は駅に着いた。この駅には駅員がいないので、切符の受け取りは電車の車掌が降りて行っている。
 周囲には二人のほかにも何人か電車を待つ人がいた。
「マノさ、私に隠し事してるでしょ」
 いつもの話題もひと段落したところでカナメが唐突に言った。
「えっ? 別にカナメに隠してることなんてないよ」
「コウヘイのこと」
「コウヘイがどうかしたの?」
 コウヘイは、カナメが高校から付き合いだした彼氏だった。二人とも同じクラスで女の子の間では人気がある。
「マノ、好きでしょ。コウヘイのこと」
「えっ」
「見てれば分かるよ」
 少しの間、二人に沈黙が訪れる。
「いつから、気づいてた?」
「最近。なんとなく、そうじゃないかなって」
「そっか……」
「それでなんだけど」
 そこまで言うと、カナメは間をおいた。
「マノ、私のこと殺そうとしてるでしょ」
「はぁ〜? んなわけないじゃん」
 マノが声を張り上げる。
「どうしてそんなことまですんのさ。馬鹿じゃないの?」
「私もマノに秘密にしてたことがあるの」
「秘密?」
「うん。信じてもらえないと思うけど、私、未来を見ることが出来るの」
「へぇ〜」
「からかってると思ってる?」
「べっつにぃ〜」
 マノのイライラは収まらない。
「それならどうして一緒に帰るのさ。私がカナメを殺す未来が見えるんでしょ」
「だって、マノとはこれからも親友でいたいから。話せば分かってくれるかなって」
 電車がやってくるまで、もう少し時間がかかる。
「ゴメン、でもコウヘイのこと好きなんだよ」
「……マノのこと、親友だと思ってたのに」
 二人の間に再び沈黙が訪れる。
「もう一つカナメに秘密にしてることがあるんだ」
 静寂を破るようにマノが切り出した。
「私にも未来を見る力があるんだよ」
 電車がホームへ入ってきた。
「そんで。見た未来なんだけど、この世にいる人間全てが私たちから目をそらす瞬間なんだよね」
 そう言うと、マノはカナメを線路に突き落とした。
 グシャという鈍い音がした。
「カナメのも当たったじゃん」
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後記です。
第一回ですね。やれば出来る子だと思ってましたが
すいません、これが限界でした!

カナメをカヤノにしたかったのですが流石にそれは・・・。
俺の書く長編は全てヒロインはカヤノ、友人はマノです。
主人公はシュウスケ。カタカナ表記です。

オチは分かってもらえてますよね?なら良かった。
押し寄せて、消える。

コメント

暇つぶしの達人
暇つぶしの達人
2006年10月10日23:56

面白かったというと反感を買いそうなので止めておきます。
読んだ後から寒気がしました。

小説の基本って何のことでしょう?

たぬ吉
たぬ吉
2006年10月11日7:51

感想ありがとうございます。
すいません、これが限界です。
ところで、反感は一体誰が・・・?

基本の件ですが、読みやすさを心がけるとか、
展開の仕方とかをドン無視させてもらいました。
あと語尾とかもですね。

暇つぶしの達人
暇つぶしの達人
2006年10月12日1:38

残酷なお話なので、素直に面白いというと呆れられるかと思いまして。

なるほど。そういう基本でしたか。
読みやすかったので特に気付きませんでした。

たぬ吉
たぬ吉
2006年10月12日8:31

いや、もう、書き手としましては面白いといわれるだけで
泣きながら小躍りしてしまいます。
残酷な話を考えるのは大好きなもので・・・。

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